インプラント治療で使う機器

歯周病と糖尿病には深い関係がある

糖尿病と歯周病は相互に影響し合うことが分かっています。
糖尿病が進行すると歯周病が悪化し、歯周病が進行すると糖尿病が悪化するのです。
この相互関係を説明するために、まずはそれぞれについて説明します。

糖尿病とはインスリンが十分に作用せずに、血糖値が高くなってしまう病気のことを言います。
インスリンとは血液中のグルコースを細胞に受容をさせ、血糖を下げる役割を担っている唯一のホルモンで、肝臓のランゲルハンスB細胞でつくられます。
このB細胞が細菌などによって破壊されて、インスリンが分泌されなくなるのが1型糖尿病です。
生活習慣やストレスによって、インスリンの分泌量と細胞の感受性低下によって高血糖が続くのが2型糖尿病です。

糖尿病には目立った初期症状はありませんが、進行すると合併症が起こります。
代表的な合併症は網膜症、神経症、脳梗塞、心筋梗塞が挙げられます。
網膜症は悪化すると失明を引き起こし、神経症は悪化すると手足が壊死します。

歯周病とは慢性の感染症で、口の中に生息している300を超える細菌が、歯の周辺で炎症を引き起こし、やがては歯を支えている歯槽骨を溶かしていく病気のことです。
悪化すると歯を失うことになり、生活の質の低下を避けることはできません。

糖尿病が歯周病を悪化させる理由は複数あります。
1つは高血糖が続くとマクロファージの働きが低下することです。
マクロファージとは体内の細菌を捕食し、免疫機能の中心的役割を果たしている白血球の一種です。
糖尿病になると免疫力が低下するので、慢性の感染症である歯周病が悪化するのです。
2つめは糖尿病による口内乾燥や糖分濃度の上昇が招く口内環境の悪化です。
これにより、歯周病菌が繁殖しやすい環境になり、歯周病が悪化するのです。
3つめは組織修復力の低下です。
血糖値が適正ではない状態が続くと、組織を修復する機能が低下することが分かっていて、破壊された歯周組織の修復が追いつかないため細菌が増加し、歯周病が増加するのです。

歯周病が糖尿病を悪化させる理由は、歯周の細菌が発した炎症物質がインスリンの分泌を妨げることであるとわかっています。
具体的には歯周病菌から発生した炎症物質が歯肉を経て血管に入り、免疫力に関わる白血球マクロファージに腫瘍壊死因子アルファという物質の分泌を促します。
腫瘍壊死因子アルファにはインスリンをつくりにくくする働きがあるため、血糖に対するインスリンの働きが悪くなるのです。
ですので歯周病治療を行うと、糖尿病の患者のインスリンの働きが改善されることが報告されています。